英語の先生だった頃の話です。

ノートの書き方にすごくこだわる男子高校生がおりました。
私は1対1で授業をしていました。
彼は、ノートにちょっと書き損じたり
自分が書いた何かが気に入らないと新しいページを使います。

そのこだわりが、好きでもない「英語」をする上で
彼にとっては絶対に譲れないものだとわかるまで
私のとった行動はひどいものでした。

「もう時間なくなるよ
 さっさと終わらせようか。
 英語、嫌いだもんね、しんどいよね

 ノート、もったいないね、
 消しゴムで消せば使えるよ」


余計なお世話 でした。


私自身がドイツ人のイラストレーターに絵を習い始めた時
ちょっとした書き損じ が自分の集中力ゲージをゼロにすることに
気づきました。毎日書いても書いても上手くならない人体ドローイング、
泣きたくなるほど不恰好でバランスが悪い。
当時、どうしてもグラフィックファシリテーションや
グラフィックレコーディングを学ぶ必要がありました。
醜いバランスの人体がどんどん仕上がっていく様子に
こんなのではグラレコなんて
人前でできない、諦めるしかない、そう思いました。


そこで思ったのです、
どうせ諦めるなら、
大きな無駄かもしれないけれど、スケッチブックを買ってみよう、
それも、画材やさんに出向いて紙の手触りや表紙の色にピンとくる
そんなものを買おう、と。




ちょっとドキドキする買い物でした。
気がつくと、気持ちを上げるためにか
美術高校に通っていた娘が器用に使っていた「ねりけし」や
ステッドラーの鉛筆も買っていました。



すると、ほんの少しだけ、毎日のドローイング練習が
苦痛ではなくなりました。どれだけモデルを観察して描いても
私の手が指が作り出す形は、人類には見えない。


それでも、表皮の色が特別なスケッチブックと
ざらざら具合、厚さの感じが自分にしっくりくる道具だから
1日休止しても続けられるようになりました。


美大生でもないのに、これをやっていて何になるのだ?
と首をもたげてくる諦めの声に効いたのは、
私が自分のこだわりに正直になったから、そう思います。


そして、ある日気づくと
ドイツのグラレコや情報の会社の老舗から
スカウトを受けていました。



諦めそうな自分がいて、内部から外部からの皮肉な声が聞こえる時、
まだ、どうしても諦めきれない、と思ったら、
「この1度だけ!」と自分に言い聞かせて贅沢して
自分のこだわりを全開にして場を整えてみることをお勧めします。

それからでも、諦めるのは遅くない、


前述の「こだわりボーイ」は関東の公立大学に合格し
夏休みに会いに来てくれました。
髪を染めて、ダイエットもして、かっこよくなっていました。



I’ll add English version when I get home from work.
Sorry.



『こだわり』は金脈のサイン? Being picky isn’t bad.
The following two tabs change content below.
おかみほ
岡みほ ・米国VTS認定ファシリテーター/ スケッチノーター 「ビジュアリンガル」 代表 ・International Visual Literacy Association 会員 ・International Forum of Visual Practitioners 会員 ・ペットはカブトガニのジョン
おかみほ

おかみほ

岡みほ ・米国VTS認定ファシリテーター/ スケッチノーター 「ビジュアリンガル」 代表 ・International Visual Literacy Association 会員 ・International Forum of Visual Practitioners 会員 ・ペットはカブトガニのジョン